募集
免疫機構研究ユニットでは、大学院生、ポスドク研究員、技術職員を募集中です。可能であれば、他大学の学部生 (卒業研究配属生) や大学院生の外部研究生としての受け入れも行っていますので、まずは気軽に相談ください。
1. 東京科学大学 大学院生 (修士課程あるいは博士課程) として研究室に所属したい
2. ポスドク研究員、研究員、技術職員として当研究室で働きたい(時短勤務・パートタイム可)
3. 他大学から大学院入試を経ずに研究室で実験したい (いわゆる外部研究生)
- まずは気軽に連絡・相談してください
kato.kazuki[at]tmd.ac.jp
[at]を@に変換して送信してください。
学生の教育について
理系学生が研究室で過ごす時間は、その後のキャリア形成にとても重要です。個々人が学生の間にどれだけ成長できるかは当人のやる気や能力だけでなく、研究環境、すなわち研究室にも依存します。当研究室に所属する学生には、卒業までに「タンパク質実験のプロフェッショナル」になってもらい、アカデミア、あるいは、製薬企業などの企業研究員、もしくは研究以外の分野でも活躍できるような人材の育成を目指しています。そのために以下の二つのことを大事にしています。
1. 良い研究をする
「良い研究」が良い研究者を育てると私は考えます。ではアカデミアにおける「良い研究」とはどのような研究でしょうか?私は「良い研究」とはすなわちオリジナリティのある研究だと考えます。研究の独自性や独創性については、科研費や学振(DC1, DC2)の申請書でも必ず記載しますが、いざ学生に書かせてみると最初はなかなか書けません。自分の研究の立ち位置をしっかりと理解して、研究の価値や必要性、何がすごいのか?などを周りに説明するというのはそのくらい難しいです。私はオリジナリティの高い研究テーマを学生に与えて、自分の研究プロジェクトの価値や意味、立ち位置について常日頃から考えてもらうようにしています。学生が責任をもって自分のプロジェクトに取り組んでもらうために、当研究室では基本的に1人につき独自テーマとして1つ、もしくは2つ以上のプロジェクトを担当してもらいます。もちろん学生が最大限力を発揮して研究成果を出せるように研究室全体でできる限りのサポートをします。
2. メンター(指導教員)と話す
学生が研究者として成長するためには、先生から適切な指導を受ける必要があります。当研究室ではPrincipal Investigator(PI)すなわち私が学生と直接ディスカッションして、研究を進めていくようにしています。Face-to-Faceで生の実験データをもとに議論するのは非常に重要ですし、直接のコミュニケーションを通じて実験の進め方や研究に対する考え方などを指導するようにしています。日本ではPIが自ら全ての実験データを見て、実験の詳細まで細かく直接指導することは珍しいように感じるかもしれません。私がアメリカ留学したラボでは週一回のPIとの1 on 1ミーティングで、実験データをプレゼンし細かくフィードバックを受けていました。メンターから学ぶことは多く、その時のメンターとやりとりを通じて私自身研究者として成長することができたと感じているので、当研究室でも私は学生と話す時間を大切にしたいと考えています。
ある程度研究に慣れてくると学生によっては、自分の頭で考えて研究を進めることができるようになります。そういったケースでは自分の判断で実験をデザインして、自分の責任で実験を進めてもらうようにしています。実験をデザインする失敗と成功を繰り返すことによって、研究を進める上でのセンスみたいなものが身につくはずです。こればかりは直接口で指導することも難しいですし、自分でデザインした実験がうまくいって新しい発見につながる喜びを感じてもらいたいと考えています。
研究室で身につくスキル
当研究室はさまざまな実験手法を取り入れて研究をおこなっていますが、中でもタンパク質やRNAを扱った実験に重きを置いています。担当するプロジェクトにもよりますが、身につく実験スキルの一例として以下のようなものが挙げられます。
- 組み換えタンパク質の調製(大腸菌、昆虫細胞、哺乳類細胞を用いた発現、および精製)
- RNAの調製(RNAポリメラーゼを用いたin vitro 転写と精製)
- 生化学実験(精製タンパク質や核酸を用いての結合実験や酵素反応実験など)
- 細胞実験(qPCRやレポーターアッセイ、細胞死実験、RNAやタンパク質免疫沈降など)
- クライオ電子顕微鏡を用いたタンパク質の立体構造解析
卒業後の進路について
私は企業研究者の経験、ポスドクの海外留学の経験を活かして、学生のキャリア形成も積極的にサポートしています。詳しくは研究室見学の際に相談してください。
どうやってオリジナリティのある研究をするか、あるいはキャリアについては以下のコラムでも少し書いています。